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研究・実践事業


データでみる女性の社会的孤立―夜の世界で働く人々のセカンドキャリア―


開催日時:平成29年10月28日(土) 16:30~18:00
開催会場:聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)12階

開 催 内 容


▶チラシ(PDF)

1、参加費
無料(事前申し込み不要)

2、会場
聖徳大学生涯学習社会貢献センター(10号館)12階(千葉県松戸市松戸1169)

3、主催
聖徳大学生涯学習研究所

4、講師
角間 惇一郎 氏
一般社団法人 Grow As People (GAP) 代表理事

5、コーディネーター
・川口 一美
聖徳大学 心理・福祉学部社会福祉学科 准教授、聖徳大学 生涯学習研究所 研究員

・佐藤 可奈
聖徳大学 心理・福祉学部社会福祉学科 講師、聖徳大学 生涯学習研究所 研究員

6、内容
近年、社会的孤立に陥りやすい新たな属性として、風俗業界で働く女性が注目されていることを皆さんご存知でしょうか?
 一般社団法人Grow As People(GAP)代表理事である角間惇一郎氏は、風俗産業に関わる女性のセカンドキャリア支援、調査研究、情報発信等を行い、「どんな状況でも孤立せず、望めば次にいける社会」の実現を目指し、活動しています。本研究会では、2017年2月にGAPが発行した『夜の世界白書2016年版』データから、風俗産業で働く女性を取り巻く状況及びGAPの活動を角間氏よりご講演いただき、社会的孤立解消に向け、私たちや社会はどうあるべきかについて考えたいと思います。

実 施 報 告

平成29年度生涯学習研究所主催研究会(課題別研究会)報告
データで見る女性の社会的孤立―夜の世界で働く人々のセカンドキャリア―
 
 平成29年度生涯学習研究所の課題別研究会は、10月28日16:30~18:00に生涯学習社会貢献センター(10号館)の12階で行われた。今年度は「データで見る女性の社会的孤立―夜の世界で働く人々のセカンドキャリア―」と題し、NPO法人Grow As People(GAP)代表理事 角間惇一郞氏を迎え、学生や地域の方など、一時は立ち見が出るほどの盛況な会となった。その内容をご報告いたします。

◆今回の研究会を開催するにあたって
 今年度は、地域社会の孤立を身近な問題としてとらえ、地域の人々と学生が共に考える機会にしたいという主旨から、若者や女性が社会の中で抱える問題に焦点を当てた。
近年の社会情勢から、学生は奨学金やアルバイトなど自ら学費や生活費を捻出している者も増えている。自身の今後、一生涯について考え、それに備え学ぶことの重要性(これは若い学生のみならず)を感じる。そんな折、角間氏の著書『風俗嬢の見えない孤立』に出会い、私たちが考えるよりすぐ近くに性風俗産業で働く人(ここではキャストと呼んでいるが)が孤立した状態で地域に存在していることを知った。学生が授業終わりに参加できるような時間帯、社会人も参加できる土曜の夕方を設定し、単に講演を聴くのではなく、この会に参加した私たちも自ら考え、発信できるよう1部は講演、2部はシンポジウムの形式とした。

◆第一部Grow As People代表理事角間氏の講演
 この講演では、現在の夜の世界の仕事が簡潔に分類され、漠然と見ていた夜の世界の仕事が、多様化していることが分かった。また、夜の世界で働く女性や水商売といわれる仕事の垣根が低くなっており、アルバイト感覚で始めるケースや夜の世界で働くことで、昼の仕事の収入を簡単に超えてしまい、夜の仕事で効率よく稼ぐ方向に移行する女性もいると知った。ただ、店舗型(お店に籍を置く従来の夜の世界での働き方)以外の新しい夜の世界の働き方は、年齢を重ねると、ターニングポイントになる時期があり、そこからのキャリアをいかに考えるか、準備をしていくかでその後の生活が変わっていくことも目の当たりにした。この業界でもやはり、他者と関わること、支える人がいること、また、どんなときもチャンスがあり、情報を手に入れ一歩踏み出すことは重要で、地域社会で「孤立する人に必要な要素」と変わらないということも分かった。

◆第二部シンポジウム
 第二部では、助言者として角間氏、シンポジストは、聖徳大学社会福祉学科学科長高尾公矢先生と社会福祉学科4年平萌佳さん、社会福祉学科3年吉田泰菜さんを迎え、各々の視点で発言した。
 高尾先生は、戦後以降の日本における水商売の歴史、変遷等話され、4年生の平さんは、卒業後福祉分野で働くこともあり、卒業後現場で今回の学びを活かしたいと述べた。3年生の吉田さんは、佐藤ゼミで角間氏の著書に出会い、1年間夜の仕事や水商売の歴史について研究したことをプレゼンテーションした。
 その後フロアからの質疑応答も多数あり、今後もこの問題について関心をもって自分たちでも追いかけたいという思いとともに幕を閉じた。また、この勉強会の休憩時間にはGAP様の協力で佐久間様のご著書の物販もあり大変好評だったことも報告いたします。

(文責:川口一美)